お鍋さん(藤尾奥町)
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昔、藤尾の村で田植えを前にして日照りが続いた年がありました。わずかに流れる谷水で田植えは終えたものの、更に日照りは続きました。村に「お鍋さん」と言う女性がいて、日頃から「私が祈ると必ず雨がふる」と言っていましたが誰も本気にしませんでした。しかし、日照りの続く中「お鍋さん」は自らの命に変えて雨を降らせると、村人はたいへん感謝し、池のほとりに祠を建てて祀りました。藤尾奥町の北にある如意ヶ岳の南腹、うっそうとした木立の中に小さな祠があります。祠の前には小さな池があり、そのかたわらに大正6年に建てられた「雨社旧跡地」の石碑があります。
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