角大師と豆大師
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現在も民家の門口に、魔除けの護符として、鬼の形をした像や小さなお像(角大師)をいくつも連ねたもの(豆大師)を印刷した紙片が貼られているのが見られますが、これらの護符は、元三大師良源の描いたものだといわれています。良源は、第18代天台座主として、当時荒廃していた延暦寺の堂舎の再建に全力を注ぐ一方で、山内の規制を厳しくして僧風の刷新をはかるなど、叡山中興の祖とも呼べる人物で、このような厳正な人格と大きな業績から、入寂後、彼を観音菩薩の生まれ変わりだとか、不動明王の化身だという信仰が生まれ、これがのち民間にも広がり、諸々の厄災の護符としてその絵が盛んに用いられるようになったと伝えられています。
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